上製本 記念冊子の製作事例(3)

■お客様(デザイン):株式会社YPR様 
■製本協力:有限会社篠原紙工様    

(株)YPR様よりご依頼を受け、セミオーダーレオタードブランドstina様の10周年記念冊子を製作いたしました。

第3回は本文についてご紹介します。

 ①上製本の本文について

上製本では表紙とは別に本文を一度綴じています。
その綴じ方にも種類がありますが、今回は無線綴じをしています。
印刷した本文を断裁→見返しの折り・貼り付け→丁合→無線綴じ→花布(はなぎれ)貼りを行って、最後に表紙と合わせます。
特に「見返し」と「花布」は上製本ならではの特徴です。
(※「見返し」は並製本でもつけることがあります)

 ②見返し
見返しとは、表紙と本文を繋ぎ合わせて補強する役目のある紙です。
本文の2ページ分の大きさの紙を2つ折りにして、片方が表紙の内側に貼ってあります。
この表紙の内側に貼られた側は「見返し紙」や「きき紙」、もう片方の本文と一緒に綴じてある側は「遊び紙」と言います。
見返しについて
実際の見返し部分の写真
見返しは本文より少し厚い用紙で、片面印刷をしています。
 ③丁合(ちょうあい)・無線綴じ
丁合とは、印刷した用紙をページ順に並べていく作業です。
面付けした用紙を折ってページ順にする方法(折り丁)もありますが、今回は各ページごとに断裁したものを丁合する方法で行なっています。
丁合機の画像
ページ順に並べたものを、一冊分ごとに綴じていきます。
上製本の本文の綴じ方には種類がありますが、今回は糊で綴じる無線綴じです。
 ④花布(はなぎれ)貼り
花布とは、上製本の本文の背の上下両端に貼り付けられた布のです。
元々は本を丈夫にするのと装飾のために、本文の折り丁を色糸を使って縫い付けていたものですが、現在は小さい布を貼り付けています。
花布の図

表紙と本文がそれぞれ出来上がったら、いよいよ組み合わせます。
次回、最後の工程をご紹介します。