「紙」のはなし 【コートもマットもコート紙です?】

前回に続き、紙のはなしシリーズです!
今回は「塗工印刷用紙(以下、「塗工紙」と記載します)」を掘り下げてみましょう。

 塗工紙の種類

塗工紙はベースとなる紙と塗られている塗料の量によってA0、A1、A2、A3、B2、B3など分類されています。
初めて「A2コート紙」と言われた時は「A2サイズ…?A判ってこと…??」とサイズの話かと思いました。
ベースとなる用紙が上質紙のものは「A」、中質紙のものは「B」で始まり、後に続く数字が大きいほど塗工量が少なくなります。
また、分類にあてはまらない「その他塗工印刷用紙」としてキャストコート紙、エンボスコートなどもあります。

塗工紙のイメージ

この中でよく使われているのが「A0」「A1」に分類される「アート紙」と「A2」に分類される「コート紙」です。

 アートとコート

アート紙とコート紙はどちらも上質紙をベースに塗工された用紙で、
・両面の塗工量が40g/㎡程度のものがA1の「アート紙」
・両面の塗工量が20g/㎡程度のものがA2の「コート紙」
とされています。
A1アート紙よりさらに光沢性、平滑性を高めたA0の「スーパーアート紙」と呼ばれるものもあります。
(※呼び方はまちまちな部分もあり、アート紙を「A1コート」、スーパーアート紙を「A0コート」と呼ぶ場合もあるようです)

アート紙・コート紙を印刷する前の状態で見分けるのは難しいのですが、印刷するとアート紙の方が再現性が高く、より鮮やかに表現できます。
とはいえ、近年はコート紙も品質が上がっていてアート紙との差は少なくなり、またアート紙の方が少し価格も高くなるので作成する印刷物に応じて使い分けたいものです。

ちなみに、同じ連量のアート紙とコート紙を比べると一般的にはコート紙の方がコシが強く感じられます。
これはコート紙の方がベースとなる用紙が厚く、塗工量が少ないためです。
同じ連量のアート紙とコート紙では、一般的にはコート紙の方がコシが強く感じられます。

 例えばどの用紙?
プリントハウスで取り扱っている用紙の中では、「コート」「マットコート」がA2に分類される「コート紙」です。
「コート」は表面に艶が出るように、「マットコート」は光沢が抑えられるように塗工(=コーティング)されている、という意味でどちらも「コート紙」になります。

A0、A1の「アート紙」に分類される用紙は「サテン金藤N」「SA金藤」「ハイマッキンレーアート」 などです。
それぞれ「サテン金藤N」はダル(=白紙面は光沢が抑えられて印刷面は艶が出る)、「SA金藤」と「ハイマッキンレーアート」は光沢があるグロス仕上げの塗工がされている「アート紙」です。

 

それでは、今回はここまでです!
                                                 

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