「紙」のはなし【非塗工印刷用紙って?】
今回は「印刷・情報用紙」の中から「非塗工印刷用紙」について掘っていきたいと思います。
(今までの「紙」のはなしシリーズへのリンクはページ下部に貼ってあります)
以前紹介した「塗工印刷用紙」と異なり、その名の通り紙の表面に塗工がされていない用紙です。
塗工紙と比べると印刷の再現性は低いのですが、表面の光沢が抑えられていることで文字が読みやすく、書籍などに向いています。
また筆記性が高く、「非塗工印刷用紙」をさらに分類していった先に「筆記・図画用紙」というカテゴリーもあります。
非塗工印刷用紙 | 上級印刷紙 | 印刷用紙A…白色度75%程度以上 | |
その他印刷用紙 | |||
筆記・図画用紙 | |||
中級印刷紙 | 印刷用紙B(中質紙) | セミ上質紙 | |
印刷用紙B…白色度65〜75%程度 | |||
印刷用紙C(中質紙)…白色度55〜65%程度 | |||
グラビア用紙 | |||
下級印刷紙 | 印刷用紙D(更紙)…白色度55%前後 | ||
印刷せんか紙(特殊更紙) | |||
薄葉印刷紙 | インディアペーパー | ||
タイプ・コピー用紙 | |||
その他薄葉印刷紙 |
上級・中級・下級の差は配合される化学パルプ(繊維原料を化学的に処理して製造したパルプ)の割合です。
化学パルプは機械パルプ(繊維原料を機械的に処理して製造したパルプ)よりも強度が大きく、上級印刷紙は化学パルプ100%、中級印刷紙は化学パルプが40〜90%以上となっています。
プリントハウスで扱っている上質紙は印刷用紙Aに分類されます。
印刷用紙B・Cは書籍や雑誌の本文などに使用されており、印刷用紙Dの更紙は俗に「わら半紙」と呼ばれるものです。
薄葉印刷紙はその名の通り薄い用紙で、坪量(1平方メートルあたりの重量)が40g/m2以下…例えば「上質紙70kg」の坪量が81.4g/m2なので、およそその半分以下の薄さです。
(単純に重さと厚さが比例するワケではありませんが…)
インディアペーパーは辞典等の本文用紙に用いられることが多いので、辞典を想像していただくと薄さのイメージがつくかと思います。
その他薄葉印刷紙にはカーボン紙原紙などが含まれます。
分類名は知らずとも、非塗工印刷用紙は手にしている機会がいちばん多い用紙かもしれませんね。
(1)印刷・情報用紙って?
(2)コートもマットもコート紙です?
(3)包装用紙って?